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【低用量ピル→ミニピルへ】40代を前に切り替えた話

更新日:1月10日

 元ウェブライターの平井可南子さん(37=仮名)は、PMS(月経前症候群)緩和のため15年以上低用量ピルを服用してきました。女性の快適な生活をサポートしてくれる低用量ピルですが、血栓症への懸念から40歳以降の服用は推奨されていません。そこで平井さんは、昨年7月から血栓症リスクのない「ミニピル」に切り替えたといいます。ご本人に、これまでのピルケアライフやミニピルという選択の理由を伺いました。(取材:みらい編集長)


ミニピルを服用中の平井さん

(画像はイメージです)



◆PMS緩和目的の低用量ピルで、肌の変化も実感

 私は20歳前後から低用量ピルを服用してきました。生理は軽い方で、女性の2割しかいないとされる腹痛(生理痛)のないタイプでしたが、月経前症候群(PMS)がひどく、メンタルの浮き沈みが激しいことが悩みでした。子どもを望む気持ちもなかったため、避妊という側面にも期待をしてピルを飲み始めました。

 飲んでいたのは「トリキュラー」という低用量ピルです。幸いこれといった副作用もなく、すぐにカラダに馴染んでくれました。大きな感情の波が来なくなり、PMSへの効果も感じられました。ピルを飲み始めてメンタルが安定したと思います。

 体質が改善されてニキビができにくくなったことも、ピルを飲んでいてよかった点です。33歳の頃、消退出血(ピルの休薬期間に起こる生理)が来なくなったため1年ほどピルを中断したことがあったのですが、その期間は肌が荒れたので、やはりピルの効果は大きかったと感じます。


◆40歳を前にミニピルへの切り替えを決断

 低用量ピルは、血栓症へのリスクから40歳以降の服用が推奨されていません。私は37歳ですのでまだ猶予はありましたが、今後について考える中で、「ノリディ」というミニピルに切り替えることに決めました。ミレーナ(IUS)を装着するという手もありましたが、「毎日薬を飲む」という習慣がついているため、ミニピルのほうが楽だろうと考えました。

 嬉しいことに、ミニピルでも特に副作用は感じませんでした。私は軽度のうつ病を患っているため、薬の変更によるメンタル面への影響が不安でしたが、今のところスムーズに移行できています

 一方で、低用量ピルを飲んでいた頃よりニキビはできやすくなってしまいました。低用量ピルとミニピルの大きな違いは、「エストロゲン配合か否か」です。エストロゲン配合の低用量ピルはニキビへの効果がありましたが、同時に血栓症のリスクもありました。私は血栓症のリスクを鑑みてミニピルに切り替えたので、肌の変化は仕方ないことだと理解はしています。現在は皮膚科に通院する形で対処しています。


◆消退出血(生理)の回数が減るというメリットも

 低用量ピルは1シート「実薬21錠/偽薬(プラセボ)7錠」の構成で、生理周期を28日に整えるものでしたが、ミニピルは全て実薬なので休薬期間がありません。しかし、長年低用量ピルを飲み続けてきたからなのか、ミニピルに切り替えた今でも28日前後で消退出血(生理)が起こります。低用量ピルのときほど確実に「この日に来る」とは分かりませんが、ある程度予測はできるので助かっています。

 飲み始めてまだ6ヶ月目なので多少の不正出血はありますが、徐々に期間も出血量も減ってきました。飲み続けていくと消退出血(生理)が数ヶ月おきになると聞いているので、趣味のサウナにも行きやすくなるのではないかと、今から楽しみです!

 肌の調子が良くなる点消退出血(生理)のタイミングがはっきりしている点については、低用量ピルのほうが「便利」だったとは思います。一方で、消退出血(生理)が数ヶ月おきになる点血栓症のリスクを高めない点においては、ミニピルに分があると思います。

 私個人の意見ではありますが、長期服用することを考えると、カラダに優しいミニピルをおすすめしたいです。



【みらい編集長より】

 ミニピルはエストロゲン無配合のため、血栓症のリスクがない薬です。一方で、自らのエストロゲン分泌が抑えられることもあるため、更年期障害のような症状が出たり、うつのような状態になるケースもあるそうです。

 平井さんが服用しているノリディは、ミニピルの中でも少しだけエストロゲン作用があるものです(第1世代の黄体ホルモン=ノルエチステロンを配合した薬は、若干のエストロゲン作用があると言われています)。そのためスムーズに移行できているものと思われますが、今後薬の種類を変更する場合は注意が必要です。



(1月10日追記)

ミニピルについて、いくつか質問をいただいたので補足します。


・ミニピルは安全なの?

→血栓症リスクの観点においては、たしかに血栓を引き起こす可能性のある合成エストロゲンを含みません。

一方で、人によってはうつのような症状が出ることもあるため、「カラダに合う方も、合わない方もいらっしゃる」と言えます。平井さんの場合はカラダに合ったようですが、個人によって合う、合わないは異なります。


・ノリディにはエストロゲン作用があるのに、なぜ血栓症のリスクがないと言えるの?

→エストロゲンや黄体ホルモンなどのホルモンには、受け取り手(=受容体)が存在します。

ノリディは黄体ホルモン単剤であり、たしかにエストロゲンを含みません。しかし、ノリディに含まれる黄体ホルモンがエストロゲン受容体を刺激することがあるため、「ノリディには若干のエストロゲン作用がある」と言われるのです。

この「エストロゲン受容体を刺激する」という現象は、血栓をつくる作用とは別の働きをする経路を刺激するものなので、血栓症リスクとは関連性がないと考えられます。

ノリディの内服によりエストロゲン受容体が刺激されて起こる反応としては、乳房の張りなどが挙げられます。

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