会社の健康診断をきっかけに婦人科系の病気が判明し、ジエノゲスト(※)を服用している、ホテル国際21(長野県長野市)総支配人の加藤久美子さん。女子プロサッカー「WEリーグ」のAC長野パルセイロ・レディースで、選手や地域密着活動のサポートなども行なっています。9年以上にわたり保険ホルモン治療を行ってきた加藤さんの、リアルな体験談をお届けします。(取材:松原渓編集部員)
(※)ジエノゲストは、ディナゲストの後発品(ジェネリック医薬品)。加藤さんが治療を開始した当初はジエノゲストがなかったため、ディナゲストを服用していました。
長野市にあるホテル国際21の総支配人として、多忙な日々を過ごす加藤久美子さん
自覚症状はゼロ…自分が病気になるなんて
健康のために、よく眠り、よく歩くことを大切にしています。目標は1日10,000歩なので、「歩こう」と思わないと達成できないんです。難しい時でも最低7000歩は歩くようにしていて、足りない時は散歩をしています。体をほぐすために、朝に家でストレッチやピラティスをやることもあります。
協会けんぽ長野支部さんが、企業対抗でウォーキングの歩数を競う企画を毎年行っていて、会社で参加してます。その期間は私も、かなり頑張って歩いて、1日25,000歩くらいはいきます。それが歩く習慣につながり、「歩くってけっこういいんだな」と実感しました。
そんな私がジエノゲスト(当時はディナゲスト)を服用するきっかけは、9年ほど前の会社の健康診断でした。自覚症状は特にありませんでしたが、精密検査を勧められて受診したところ、婦人科系の病気が見つかりました。手術以外の治療法を探した結果、「あなたの症状には一番いい」と言われて、ディナゲストの服用を始めました。
高価だったディナゲスト、お手頃なジェネリック
当時(約9年前)はジェネリック医薬品がなかったため、ディナゲストは3ヶ月間で
15,000円ほどかかりました。ここ数年でジェネリック医薬品としてジエノゲストが処方されるようになり、半額以下になったので、飲みやすくなりましたね。
低用量ピルとは違い、服薬は1日2錠で、時間をあけて朝と夜に飲むようにしています。時々、忘れてしまうこともあるのですが……(苦笑)。
医師からは事前に、①ホルモンバランスが変化するので、不正出血があるかもしれないこと、②ジエノゲストはエストロゲンを低下させるので、更年期症状が出るかもしれないこと、の2点について、説明を受けました。低用量ピルは血栓症のリスクがあると言われますが、ジエノゲストに関してはそういった副作用はないそうです。
ただ、「もし体調が悪くなったら、服用をやめることも考えましょう」と言われています。私自身、血が固まりやすい傾向があるので、血液検査の時にはいつも数値をチェックしてもらっています。
治療開始から約5年、病状改善以外のメリットも
現在は3ヶ月に1回、ジエノゲストを処方してもらうために通院しています。先生いわく、病状はかなり良くなっているそうで、ジエノゲストの効果を感じています。
また、生理が完全に来なくなったので、すごく快適に過ごせるようになりました。生理中は鈍痛があるし、太ったり、気持ちが落ちたり、いろいろとストレスが溜まりやすいですね。私の場合はもともと、生理痛はそこまでひどくなかったのですが、それでも、生理が来ないことでそういう悩みが一切なくなったのは、大きなメリットだと思います。
副作用は個人差があるようですが、私はほとんどありませんでした。薬を飲み忘れると少し不正出血することはありますが、体温の変化や不調は感じないですね。
ジエノゲストはひと月あたり2,000円〜3,000円かかりますが、生理用品を買わなくなったので、あまりデメリットは感じていないです。しいて言うなら、最大で3ヶ月までしか処方できない薬なので、3ヶ月おきに病院に行く必要があることです。半年に1回は東京の病院に行かなければいけないので、忙しい時は負担になりますね。
現在は年に1回子宮頸がんの検査をしているほか、会社の健康診断で気になることがあったら乳がん検診にも行っています。それ以外でも体調の変化があったり、自分で胸の触診をしてしこりをチェックしたりして、気になることがあれば先生に相談するようにしています。
女性の多い職場、健康経営への思い
総支配人を務めるホテルの従業員には女性も多く、10代~60代と年齢もさまざまです。私自身は経営的な視点からも健康経営にはすごく興味があるので、どうしたらみんなが健康で、元気に働くことができるか、常に考えています。会社には生理休暇もあるのですが、現状、取っている人はほとんどいないですし、その制度すら知らない従業員もいるかもしれません。
女性(の上司)でも、社員から「生理痛なのでちょっと休みたいです」と言われた時に、「それぐらい大丈夫でしょ」と言う人がいるそうです。逆に、男性の上司や経営者の方が、分からないからこそ「しっかり休んでくださいね」と言えるケースもあります。女性が活躍する社会になっている中で、そういった知識が浅い女性経営者や上司が、同じ女性を苦しめている場合もあると思います。
それは私自身も肝に銘じていることです。もともと生理痛があまり辛くなかったので、生理痛が辛いスタッフの辛さを完全には理解できない部分があります。だからこそ、女性も男性も含めて、生理のことや体の不調について、講師を招いて研修や講習などをしたいと考えているところです。その上で、「生理休暇を取っていいんだよ」と、分かってもらえるようにしたいですね。
「女性が女性のことを知る」ことの大切さ
思いのほか、女性自身が女性のことを知らない部分もあると思います。女性の体や健康に関するケアを、全く知らない方もいると思います。たとえばお風呂で(デリケートゾーン)を洗うときに、専用の石鹸ではなくて、ボディーソープで洗ってしまうとか、ゴシゴシと強く洗ってしまうのは、良くないですよね。専用のものを使って肌に潤いを与えることで、体調不良の原因が改善されることもあると思いますから。そういったフェムケアに関する講習などもして、みんなに元気で働いてもらいたいですね。
「ピル」=避妊のための薬、というイメージもあると思いますが、生理痛の痛みや生理前の体調不良などが、ピルを服用することで劇的に改善することもあります。だからこそ、正しい知識を身につけて、気になることがあれば医師に相談してもらいたいなと思います。オンライン診療でもいいと思いますから。また、このサイトのように女性が健康について知識を広める場が増えていけばいいなと思っています。
ディナゲスト(ジエノゲスト)錠1mg「モチダ」
ホテル国際21(長野県長野市)
【Profile】加藤 久美子(かとう・くみこ)
長野県出身。ホテル国際21常務取締役総支配人。大手芸能事務所で13年間、マネージャーとして務めた後、地元の長野に帰郷。株式会社本久のグループ会社である「ホテル国際21」で総支配人を務める。女子プロサッカー・WEリーグAC長野パルセイロ・レディースのフロント業務もこなし、選手のサポートや地域密着の活動なども行う。会社の健康診断をきっかけに婦人科系の病気が判明し、ディナゲスト(ジエノゲスト)錠1mg「モチダ」を服用している。
取材後記(松原 渓)
芸能マネージャーから、地元の由緒あるホテルの総支配人へ、鮮やかに転身した加藤久美子さん。とにかくエネルギッシュで明るく、日々「人を喜ばせる」ことを大切にされているのが伝わってきました。加藤さんはお肌もハリがあってツヤツヤで、健康的な生活+日々のお手入れはもちろん、普段からホルモンバランスを意識されている効果も感じました。生理痛の重みはなかなか人と共有できないので、そうした面で配慮してくれる企業は働く女性の背中を押してくれますね。加藤さんもご自身の会社でフェムケアに関する講習をされたいとのこと。実現すれば是非取材をしてみたいです。今後は、そういうサポートも就職・転職の企業選びのポイントになりそうですね。
生理による不調は、生理休暇を取るよりも、ピルやホルモン剤で対処する方が、自分にとっても、周りにとっても良いのではと思いました。
写真を見て美人さんだな〜と思ったら、ホテルの総支配人なんですね。かっこいい!加藤さんのような女性が上司だったら、仕事がしやすい職場になると思いました。長くPMSに悩んでいるので、ピルを飲もうか悩み中です。ひと月2〜3000円で生理痛が緩和されて、しかも生理用品がいらなくなる、というくだりを読んで、すごくいいなと思いました。またジエノゲストに関する情報がありましたらぜひ、よろしくお願いします。
「人を喜ばせる」ことを大切にされてる!!とても素敵ですね。
女性は特有の病気も多々ありますが、乗り越えてこんなにキラキラした人生を歩める。
勿論お薬や良い先生との出会いもあると思いますが、ご自身の努力も…ありますよね。
良い情報をこれからもよろしくお願いします。