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【超低用量ピル】経血量は1/4程度、生理は年3~4回に!

執筆者の写真: みらい編集長みらい編集長

 関西地方在住の書店員、川島恵里菜さん(34=仮名)は、6年前から超低用量ピル「ヤーズフレックス」を服用しています。生理痛の中でもとりわけ頭痛がひどく、仕事を休むこともあったという川島さん。経血量も多く、日中に夜用ナプキンが1時間もたないほどだったといいます。ヤーズフレックスを服用して、川島さんの毎日はどのように変わったのでしょうか。ご本人に6年間の変化を伺いました。(取材:みらい編集長)



書店員として働く川島さん

(画像はイメージです)



 ピルを飲み始めたのは、月経困難症改善のためです。高校時代から生理痛がひどく、最もつらい症状は頭痛でした。ドクンドクンと波打つ片頭痛のような痛みが襲ってくるので、頭痛薬が手放せませんでした。薬を飲んでもすぐには効かず、2~3時間は横にならないと治りませんでした。

 頭痛以外にも、生理前の腹痛(子宮のあたり)、腰痛、そして乳首の痛みがありました。乳首の痛みは入浴時が特につらく、生理前や生理中は「乳首がちぎれるのでは?」と思うほどの痛みをこらえながらシャワーを浴びていました。

 経血の量も多かったです。昼間でも夜用のナプキンを使用していましたが、1時間おきには取り替えていました。寝るときは夜用のナプキンを2枚つなげて、その左右に昼用のナプキンをつけて…と、おむつのような形にしていました(当時はショーツ型のナプキンがありませんでした)。横漏れが怖くて、シーツの上にはいつもバスタオルを敷いていました。


 こうした症状とは、当たり前に閉経まで付き合っていくものだと思っていました。そんな中、6年前になりますが、姉との会話で生理の話題になりました。「生理痛で動けないときがある、仕事を休んだり早退をして迷惑をかけてしまっている」と悩みを打ち明けると、姉は薬剤師として働く友人に相談をしてくれました。そこで「超低用量ピル」の存在を知ったのです。ものは試しに…くらいの気持ちで、その友人が働く総合病院の産婦人科を受診しました。

 病院を決めるのに、迷いはなかったです。偶然ですが、そちらは会社の健康診断でお世話になっている病院でもありました。私が住んでいる地域は田舎なので、いわゆる「レディースクリニック」「○○婦人科」のような専門病院はありません。頼れる姉の友人もいるし、検診時にカルテを共有していただけるので、そちらに通院することに決めました。

 婦人科の内診台がとっても苦手なので、少し気が重い状態で病院に伺いました。ところが内診はなく、初診は問診と採血のみで終わりました。先生に症状を説明すると「月経困難症」と診断されました。

 採血の結果は問題なかったため、その場で超低用量ピル「ヤーズフレックス」を1シート処方していただき、副作用や血栓のリスクについて説明を受けました。飲みきったら再度来院して血液検査を受け、問題がなければ2シート目を処方していただくという流れでした。結果問題はなかったので、現在に至るまで6年間ヤーズフレックスを服用しています。






 飲み続けて6年、今では生理の回数も経血量も大幅に減りました!ヤーズフレックスは「不正出血がなければ連続120日間飲み続けられる」というタイプのピルで、生理の回数を減らすことができるのが特徴です。

 1シート目(28日目まで)では副作用の倦怠感や眠気を感じましたが、2シート目以降は特に感じませんでした。60日目くらいでおりものが茶色くなり、専用ダイヤルに問い合わせたところ「不正出血に該当するので、その状態が3日間続いたら4日間休薬してください」とアドバイスをいただきました。休薬したら、その翌日に生理が来ました。ピル服用前と変わらない経血量でしたが、頭痛など各所の痛みはなく、血だけが出ている状態でした。

 飲み続けていくと不正出血が起きにくくなり、その次は80日間くらい服用できました。生理が来ても生理痛はなく、経血量(特に3日目以降)も少なくなりました。

 1年ほど経つと、120日間飲み続けられるようになりました。ここ数年は不正出血もほとんどなく、生理の回数は年3~4回にまで減少しました!経血量は、ピルを飲み始める前を10とすれば、現在は2~3くらいです。日中はいちばん小さい「普通の日用」のナプキンで過ごせますし、寝るときも夜用ナプキンを使わなくてもいいくらいです。今までは朝起きて血に染まったシーツやパジャマを見るのが憂鬱でしたが、それがなくなってとても快適です!

 悩みだった頭痛や腰痛、腹痛、そして乳首の痛みも、すべてなくなりました。「痛くて寝込む」ということがなくなったので、お出かけの予定も立てやすくなりました。


 気になることを挙げるとすれば、田舎なので病院でバッタリ知り合いに会うことが多い点です。私の年齢で婦人科に行くと、知り合いから「おめでた!?」と勘違いされることも多く、気まずい雰囲気になってしまいます。パートナーはいるので結婚の可能性はありますが、子どもはつくらないと2人で話し合って決めているので、病院でそういったことがあると複雑な気持ちになります。最近は午後診の最後の時間を予約していますが、意外と空いていますし、知り合いに会うことも少ないので、とても気楽です!


 ヤーズフレックスは一度に3シートまでしか処方していただけないので、現在は2ヶ月半おきに通院しています。保険適用ではありますが、毎回8,000円ほどかかるので、大きな出費になっています。高いな~とは思いますが、1日寝込むだけの無駄な時間を過ごすことがなくなったので、8,000円の対価はあると感じています。

 40歳を超えると、ピルの服用による血栓症のリスクが高まると聞きます。今は快適な毎日を過ごせていますが、5年後はどうなるのだろうと漠然とした不安もあります。医師から服用を中断するように言われるまでは、ヤーズフレックスを飲み続けたいと考えています。



【ドクターより】

 川島さんは、40歳以降の対処法を憂慮されているようですね。

 低用量ピルと似た効果をもつ、血栓症のリスクが低い薬として「ジエノゲスト」というものがあります。ピルとの大きな違いは、エストロゲンを含まないこと(=血栓症のリスクが低い)、生理が完全に来なくなることです。1日2回内服しなければならず、避妊効果も正式には認められていないため、ライフスタイルに適しているかは個人によって異なります。

 他にも、子宮の中に入れる「ミレーナ」という選択肢があります。一度入れたら5年間効果が持続し、毎日の内服も必要ありません。子宮内に作用するものなので、全身への副作用が起こりにくいのも魅力です。ただ、こちらは挿入のため内診台に上がらなければならず、出産経験のない方は入れられない場合もあります。

 通われている病院の先生にも、今後についてぜひ相談されてみてください。40歳以降も痛みのない生活が続けられるよう願っています。

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