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【超低用量ピル】美容のために服用を再開/久世瞳さん②

 学生時代に片側の卵巣を摘出した(詳しくはこちら久世瞳さん(30=仮名)は現在、美容目的で超低用量ピルを服用しています。血栓症のリスクから一度は服用を中断したものの、3ヶ月ほど前から避妊を兼ねてピルケアを再開したといいます。婦人科系の病気も経験した久世さんに、「美容のためにピルを服用する」という考えについて伺いました。(取材:みらい編集長)





◆コロナ禍の肌荒れでピルケアを開始

 ピルを服用したきっかけは、コロナ禍でした。マスク生活が始まった2020年春頃は特に肌荒れが酷く、内服薬も含めたスキンケアについていろいろと調べる中で、ピルに出会いました。ビタミンCを飲んだりもしましたが、顎周りのニキビがしぶとく残っていたことから、ホルモンバランスが原因ではないかと疑ったのです。産婦人科で相談したところ、超低用量ピル「ヤーズフレックス」を勧めていただきました。肌荒れへの効果が高いと言われること、最長120日間連続服用できるので生理の回数を減らせることに魅力を感じて、迷わずヤーズフレックスを選びました。

 飲み始めてみると、毎月生理前後(とりわけ飲み会の後)にできていたニキビがなくなりました!困るような副作用はなく、変化といえばバストサイズが1カップ上がったくらいです(ずっと胸が張っている感じはありましたが、嬉しい変化でした)。もともと多くなかった経血量はさらに減り、腰がメインだった生理痛も少し軽減されました。「ヤーズフレックス」は最長120日間連続服用できる薬なので、生理の回数が減るのも嬉しかったです。


◆血栓症リスクの上昇から服用を中断

 順調に服用を続けて快適な日々を過ごしていましたが、服用開始から10ヶ月ほど経った頃、予期せぬ事態が起きてしまいました。産婦人科で半年おきの血液検査を受けた結果、血栓症リスクの指標となる「プロテインS」の数値が基準値を下回っていたため、「当院ではもうピルを処方できません」と告げられてしまったのです。先生からは「ミニピル(※)であれば飲み続けられるけれど、肌への効果はないよ」と言われたため、私はそこで一旦ピルの服用を中断しました。

 その後は言うまでもなく、ニキビが再発してしまいました。1カップ上がったバストサイズも元に戻り、また下着を買い直す羽目に…。「ピルをやめてよかった」と感じた点は特にありませんでした。肌荒れの悩みは、また振り出しに戻ってしまいました。


(※)ミニピル…低用量ピル同様、生理痛の軽減や避妊のために用いられる薬。低用量ピルとの違いは、血栓症リスクの原因となるエストロゲンを含まない点にある。日本では認可されていないため、自費での購入となる。



◆4年ぶりにピルケアを再開。理想の肌へ第一歩

 ピルをやめて以来悩み続けてきたニキビ治療の最終手段として、昨年9月からニキビ治療薬「イソトレチノイン」の服用を始めました。その1ヶ月半後、約4年ぶりにピルの服用も再開しました。

 イソトレチノインは作用の強い薬ですが、副作用にも重篤なものがあります。特に胎児への奇形、流産や死産などを引き起こす可能性から、服用中は避妊が必須とされています。そうした事情もあり、再び「ヤーズフレックス」を飲むことになったのです。

 イソトレチノインだけを飲んでいた頃はまだニキビがありましたが、ピルを併用するようになってからは、全くニキビができなくなりました!肌荒れへの絶大な効果を感じています。ピルを飲むとダラダラと不正出血が続くのが気になっていましたが、すぐに休薬すれば生理(消退出血)が来て、数日すれば出血が収まることも分かってきたので、今後はもっと快適に過ごせそうです。


 生理前のイライラや食欲などのPMSには、あまり効果を感じられていないのも事実です。ただ私が望んでいたのは確実な避妊とニキビの撲滅だったので、求めていた効果が得られたことに満足しており、ピルの種類を変更するつもりはありません。

 現在、血栓症への不安は感じていません。片側の卵巣を摘出していることから、他の方に比べて妊娠のハードルが高いのではないかという懸念もあるため、定期的に産婦人科へ通って血液検査などを受けているからです。理想の肌に近づくためにも、卵巣や子宮に負荷をかけないためにも、ピルの服用を続けていきたいです。(おわり)

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