ピルケアでカラダのトラブルを予防
排卵とは、卵巣の表面が破れて卵子が卵管に飛び込む現象です。ピルを内服すること=ピルケアで排卵を抑えることで、卵巣の表面が排卵によって傷つく回数が減るため、20~30年後の卵巣がんの可能性が確実に減少します。
卵巣にできる血腫も卵巣がんの原因とされているので、ピルケアにより卵巣がんになる確率は下がります。卵巣出血の可能性もほぼなくなります。
また、不妊症の原因のひとつに子宮内膜症があげられますが、ピルケアをすれば生理(月経出血)がなくなるので、子宮内膜症などの罹患率が下がります。この病気に対しても、ピルケアはメリットがあると言えます。
月経出血の頻度が高いということは、子宮の内膜が何回も剥げるということです。人体に大きな影響はないと言われるものの、傷跡が残りやすい(ケロイド)体質の方もいるかと思いますので、特に子宮の頸部(出口付近)に癒着が生じることも少なからずあり得ると考えられます。
小さな卵胞がたくさんできる多嚢胞性卵巣症候群も、不妊症の原因のひとつです。これは、多くの小さな嚢胞(のうほう)が卵巣にできる症候群ですが、この症状は、脳の下垂体というところから出るホルモンのバランスが悪いのが原因だとわかっています。
ピルにはその下垂体ホルモンの分泌を停めておく効果があるので、特に多嚢胞性卵巣の方は、月経不順の治療目的に加えて、将来の妊娠に備える意味でも、このホルモンの分泌を抑えておく方がいいと考えられます。
この下垂体ホルモンの過剰分泌は、更年期障害のサインのひとつでもあります。
ピルの服用はPMS(月経前症候群)の治療にもなりますが、更年期症状の予防にも役立ちます。ピルケアによる卵子の温存も含めて、妊娠を希望しない若い時期には、なるべく排卵をさせない方が、女性の健康にとってメリットが多いのです。
ピルケアで無駄な排卵を起こさないことが、女性のカラダにとって負担の軽減につながると考えています。
少子化対策にも
ピルを服用することにより起こり得る重篤な副作用の血栓症は、ピルケア開始後の1ヶ月~3ヶ月の間に起こることが多いので、最初の3ヶ月くらいは毎月通院をして受診するよう指導するクリニックが多いです。
日本では、通院や薬代にかなりお金がかかってしまいます。イギリスでは「薬価が高額では、本当に必要な人にピルが行き渡らない」という理由で、ワンコインでピルを購入できるように補助金が出ています。イギリスと同じ政策を施行している国は他にもあるので、日本でも同じような取り組みが広がるといいなと思います。
望んだタイミングで妊娠ができるように、女性が自らカラダをコントロールできるようにしたものがピルなのです。少子化対策の妨げどころか、ピルが広く普及することこそ、「異次元の少子化対策」のひとつだと考えられます。
また、望まない妊娠による経済的困難や虐待などへの有効な対策のひとつでもあります。
健康な今こそ、明るい未来のために備えましょう
ピルケアで生理をコントロールして、リスクを減らしましょう
生理痛や排卵によるカラダへの負担を減らし、病気になるリスクを減らすことができるのが、ピルケアです。
生理を自分でコントロールして、排卵を抑制したり、出血量を軽減させることで、起こりうる病気のリスクを低減させることができます。また、子宮内膜症や卵巣がんなどのリスクも下げることができます。ホルモンバランスをいつも安定させて、良い状態を維持させることが、ピルケアの利点です。心身ともに安定した日常が、あなたの生活の質を向上させてくれます。
健康な時にこそ、ピルケアを始めることをお勧めします。
みらい編集長
少子化対策としてピルケアを取りいれてくれたらいいなー
女性の社会進出と少子化対策を同時に考えるなら、ピルケアはとても効果的な対策だと思うなー