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【コラム】アフターピルは低用量ピルの12~30倍!?

執筆者の写真: みらい編集長みらい編集長

 某SNSで、男女における「ピル」の認識の違いが話題になりましたね。女性は「低用量ピル」を浮かべる方が多いと思いますが(世代によるかもしれません)、男性の中には「アフターピル」を連想する方も多いのではないでしょうか。

 「ピル」と呼ばれるものにはいくつか種類がありますが、話題(議論)となっているこの2種類の違いを、タイトルにもあるとおり、数字を用いて解説したいと思います。


 前提として、服用方法と服用目的を軽くおさらいします。


 ★低用量ピル・・・毎日同じ時間に、継続して服用するもの。避妊目的のほか、月経困難症(生理痛など)の緩和、月経前症候群(PMS)の改善、経血量の低減、肌荒れの改善、婦人科系疾患の予防など幅広い目的で用いられる。


 ★アフターピル・・・妊娠可能性がある性行為後72時間以内に、1回のみ服用(※1)するもの。性行為後の避妊目的のみで用いられる。


 現在広く流通しているアフターピル「ノルレボ(後発品はレボノルゲストレル)錠1.5mg」の主成分は、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)です。黄体ホルモンを摂取して排卵を遅らせることで、妊娠を防ぐという仕組みです。

 この黄体ホルモンが、アフターピルには1.5mg入っています。一方の低用量ピルには0.05mg~0.125mg(※2)しか入っていません。その差は12倍~30倍です。

 アフターピルは、身体に負担のかかる薬です。一度服用するぶんには問題ありませんが、短期間に何度も服用することは推奨されていません。

 低用量ピルは、その1/10以下の負荷なのです。これがアフターピルとの大きな違いです。


 低用量ピルは、女性の健康や美容に寄与する薬です。飲み始めに一時的な肌荒れが起こることもありますが、飲み続けていくうちに肌の状態が安定する方がほとんどです。

 「ピルの飲み過ぎで肌が荒れる」と勘違いされている方には、是非認識を改めていただけたら幸いです。


※1:日本国内における規定。また薬の種類によっては2回服用する

※2:黄体ホルモンとしてレボノルゲストレルが配合されている低用量ピル「トリキュラー(後発品はラベルフィーユ)」と比較。3相性のため、ピル1シート28錠に含まれる黄体ホルモンの量に違いがある(少ないもので0.05mg、多いもので0.125mg)

2 Comments


河合 恵
河合 恵
Oct 29, 2024

そういう事だったんですね!!

編集長さんの説明は本当にわかりやすいです。

同じ「ピル」でも、同じ「黄体ホルモン」でも一度に摂取する量でこんなにも効果や用途がかわってしまうんですね。


男女で「ピル」と聞いて認識が違うのは、当たり前の結果かもしれませんが…

少し悲しい気持ちになりました。

                                 

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みらい編集長
みらい編集長
Oct 29, 2024
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河合恵さん

恐れ入ります。ご納得いただけたようで何よりです!

数字にして比較すると、違いが分かりやすいですよね。

アフターピルと低用量ピルの違いが、広く知れ渡りますように!

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