みなさん、初めまして。
フェムライフの「みらい編集長」です。
みらい編集長というネーミングの由来は、女性がヘルスリテラシーを向上させることでより健康な毎日を過ごせるとともに、健康であるからこそ将来の人生をデザインできる可能性が高まるという思いから、「今とミライを繋ぐ存在でありたい」との願いを込めました。
ピルが50年以上も前から服用されていることをご存知でしょうか。
当初は強い副作用を伴う高用量ピルでしたが、アメリカでは1965年時点で、約19%もの服用率がありました。1973年に現在の低用量ピルが誕生すると、1977年にはオランダで40%、1992年にはドイツで50%を超えるなど、欧米の先進国を中心に、長らくピルは重宝されてきました。
日本において、ピルはまだ「新しい薬」「未知の薬」といったイメージが強いように感じます。国連の Contraceptive Use by Method 2019 によると、日本国内での服用率は3%に満たず、服用していることを隠す人も多い印象です。
低用量ピルがなかなか普及しない理由は、主に2つあると思います。
1つは、避妊薬としてのイメージが強いことです。
「遊んでいると思われそう」「家族や友人の反応が気になる」「なんとなく病院へ行きづらい」など…周囲の目を気にする日本人らしく、ピルが気になっているのに手を出せずにいる人も多いのではないでしょうか。
もう1つは、安全性への懸念です。
前述の通り、ピルは数十年にわたるエビデンスを重ねた安全な薬です。もちろん人によって副作用はありますが、3ヶ月ほど服用することでほとんどの人は副作用がなくなると言われています。
安全性に関連して、「ピルを飲むと将来、不妊にならないか」と不安に思っている方も多いでしょう。私たちはむしろ、将来の妊娠を望むなら、若いうちからピルを服用すべきだと考えています。ピルを服用してカラダをケアする「ピルケア」で排卵を防ぎ、質の高い卵子を温存することも可能だからです。
排卵をなくすこと自体に、抵抗を覚える方もいるかもしれません。
でも、考えてみてください。1回の妊娠・出産につき、生理が来ない期間が1年6ヶ月あると仮定した場合、5人の子どもを出産すると、合計して約7年間、生理が来ないことになります。一家の子どもが多かった時代の女性は、現在と比べて、一生における排卵回数がそれだけ少なかったのです。でも、なんの問題もなく過ごせていました。
私たちは、低用量ピルの社会的にマイナスなイメージを変えて、女性の健康にピルケアが貢献できると考えています。
ピルに含まれている成分は、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンそのものです。
エストロゲンは、体内でコラーゲンの生成を促す作用があり、コラーゲンが水分と絡んで細胞に浸透するため、肌に潤いやハリ、そしてツヤを与えてくれます。もちろん、生理痛やPMS(月経前症候群)の緩和、婦人科系疾患の予防、出血の少量化など、ピルケアにはたくさんのメリットがあります。
そして大事なことは、健康な時にピルケアを始めることです。生理痛がひどくなると、子宮内膜症を発症する確率が高まります。
本来生理とは、妊娠するための準備です。妊娠する計画がない女性は、妊活を始めるまでピルケアを続けることで、不必要な出血や痛みを経験することなく過ごせます。思春期の10代からピルケアを始めることが推奨されています。
大切なのは、正しい知識を得ることです。「リテラシー」という言葉の意味は、情報を適切に理解、解釈して、実際に活用するということです。私たちはフェムライフというウェブサイトを通じて、女性のヘルスリテラシー向上のためにさまざまな情報を発信し、この社会に「ピルケア」という選択肢を提示したいと思っています。
女性に生まれたからといって、毎月苦しむ必要はありません。1人でも多くの女性が、ピルケアを実践するその先にある、より健康で幸せな毎日を享受できることを願います。
私たちフェムライフは、すべての女性が人生を快適に過ごせる社会の実現を目指していきます。
みらい編集長
【プロフィール】みらい編集長
慶應義塾大学 経済学部卒業
新聞社で6年間の記者生活後、女性のヘルスリテラシー向上プロジェクト(現フェムライフ)に参画
Comments