【40代・天守閣さんからの質問】
「低用量ピル」と言いますが、「高用量ピル」も存在するのでしょうか。
【ドクターの見解】
「高用量ピル」は存在しますが、現在はほとんど使われていません。
世界で初めてピルが認可されたのは1960年でしたが、この頃に用いられていたのが「高用量ピル」でした。しかし血栓症など副作用のリスクが大きかったため、次第に「中用量ピル」に移行していきました。「中用量ピル」は、現在も主に生理日移動の目的で使用されています。
1970年代に入ると「低用量ピル」が登場し、現在に至るまでたくさんの女性たちに重宝されてきました。
「用量」とは、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の含有量を示します。低用量ピル1錠あたりのエストロゲン含有量は、0.05㎎未満(ピルの種類にもよりますが、おおよそ0.03~0.04㎎程度)です。中用量ピルは0.05㎎、高用量ピルには0.05㎎より多く含まれています。
ここ最近は「超低用量ピル」も普及しています。こちらは1錠あたりのエストロゲン含有量が0.03㎎未満(おおよそ0.02㎎程度)です。低用量ピルよりもさらに副作用のリスクが低く、内服する人が増えている印象ですが、日本では超低用量ピルによる避妊効果の試験が行われていないため、避妊目的での内服はお勧めできません。
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