【40代・うさぎ丸さんからの質問】
なぜ子宮頸がん検診は2年に1回でいいのでしょうか。毎年受けた方がより確実な結果を得られますか?
【ドクターの見解】
2年に1回の受診が推奨されている理由は、子宮頸がんの進行が遅いことにあります。
ほとんどの子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することから始まります。とはいえ、感染した方が必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。むしろ自然に治るケースのほうが多いです。しかし、100種類以上あるHPVの「型」のうち、特定の「型」に感染した場合、子宮頸がんに進行する可能性が高いとされています。
この「HPV感染」から「子宮頸がん発症」までの進行が、とても遅いのです。「子宮頸がん患者の95%以上は、2年以上HPVに感染していた」というデータがありますが、裏を返せば「子宮頸がん患者の95%以上は、2年前の子宮頸がん検診でHPV感染が判明していた」ということになります。これが、2年に一度の子宮頸がん検診が推奨される理由です。2年前に陰性だった方が、いきなり「子宮頸がんです」と診断されるケースは珍しいです。
現行の子宮頸がん検診は、「採取した細胞を顕微鏡で観察して、子宮頸がんに進行しそうな異変を起こしている細胞がないか確認する」というものです。しかし、子宮頸がんはほぼHPV感染によって起こることが分かってきたため、今後は「採取した細胞がHPVに感染しているかどうかを調べる」という方法に変わっていきます。これに伴い、子宮頸がん検診の頻度は5年に1回とさらに低くなる見通しです。
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