top of page

【ジエノゲスト/超低用量ピル】受験を前に母娘でホルモン治療

執筆者の写真: みらい編集長みらい編集長

更新日:2024年12月6日

 東京都在住の団体職員、若山柚香さん(40代、仮名)は、過多月経の治療目的で1年ほど前からホルモン剤「ジエノゲスト」を服用しています。高校受験を控える長女の美桜さん(中3、仮名)も、このほど超低用量ピル「ドロエチ」を飲み始めたそうです。中学生の娘さんがピルを服用することに対して、「不安はあった」という柚香さん。ご自身の治療経験とともに、娘さんに対するピルという選択の理由を伺いました。(取材:みらい編集長)



若山さんと長女の美桜さん

(画像はイメージです)



◆過多月経による貧血でジエノゲストを服用

 昨年から、過多月経解消のために「ジエノゲスト」を服用しています。昔から経血量は多い方でしたが、6年前に次女を出産してからより増えたと感じています。生理のとき以外でフラつくことはなかったのですが、去年、おととしと健診で貧血を指摘されるなど、健康への悪影響は年々大きくなっていました。

 最初は対処療法として鉄剤を飲んでいましたが、医師からは「貧血の原因とみられる過多月経を改善するほうがいいですよ」と、根本的な治療を提案されました。ミレーナをおすすめされましたが、私は体内に器具を入れることが怖かったので、ジエノゲストを服用することになりました。


 ジエノゲストは、1日2回の服用を毎日続けることで、服用している間は生理が来なくなるというお薬です。私のような過多月経以外にも、生理痛のつらい方や子宮内膜症の治療などでも処方されるそうですね。

 生理が来るたびに過多月経で貧血になっていた私にとって、「生理がない」という状態はそれだけでありがたいものです!これまでの生理初日~3日目くらいは、夜用のナプキンが2時間もたないほどの経血量で、「多い日昼用」や「夜用」などの高価なナプキンを使っても漏れが不安な日々でした。あの憂鬱な期間がなくなった今は、毎日を快適に過ごすことができています。以前は生理前にイライラすることも多かったのですが、気がつけばそれもなくなっていました。人によっては副作用があるようですが、私は特に感じていません。


◆受験を控えた長女のピンチに、動いた母

 長女は現在中学3年生で、高校受験を控えています。私と異なり、過多月経ではなく重い生理痛に悩まされているようです。中2の終わり頃に一度、生理痛で産婦人科を受診しましたが、そのときは痛み止めの「カロナール」を処方されただけだったので、「痛くなったら飲む」という対処療法で乗り切ってきました。

 中3の夏頃になると、受験勉強のストレスもあり悪化したのでしょうか、生理痛で塾に行けずにオンライン授業に切り替えるなど、学業に影響が出はじめました。そして11月のある日、娘から「生理痛がひどすぎて塾のお手洗いから出られない、迎えに来て欲しい」と連絡を受けたのです。娘は「このままの生理周期だと、ちょうど受験のタイミングに生理が重なりそう」と悩んでいたので、これは病院で相談するしかないと、すぐ行動に移しました。


 私がジエノゲストの処方でお世話になっている産婦人科は、次女を出産した病院です。信頼できる病院なのですが、「産」婦人科ということもあり、常に予約が混み合っています。そのため、近隣にあるもう1件の婦人科にも問い合わせてみたのですが、こちらも数週間先まで予約でいっぱいでした。

 30代のとき、子宮内膜ポリープの手術後にピルを服用した経験がありました。そのため「最初のピルは生理中に飲み始める」「服用開始1~2ヶ月は副作用が出やすい」などの知識があったので、なんとしても今回の生理が終わるまでに娘を受診させなければ…とかなり焦りました。かかりつけの産婦人科に空きが出ないか、予約画面とにらめっこしていたところ、ちょうどタイミングよくキャンセルが出たようで、娘がお手洗いから出られなくなった翌日にはなんとか予約を取ることができました。


 事前の問診票で、生理痛がひどいためピルを処方していただきたい旨をお伝えしました。それもあって、診察ではピル処方の方向でスムーズにお話が進みました。結果、「ドロエチ」という超低用量ピルを処方していただくことになりました。

 ピルの処方にあたって、先生からは「身長の伸びが止まるかもしれないけれど、大丈夫ですか?」と確認がありました。娘は「もうほとんど止まっているので大丈夫です」と答えていましたが、実は身長があまり高くないことを気にしているんです。「身長が伸びなくてもいいからピルを飲みたい」と思うほどしんどいのだと、そのときあらためて感じました。

 先生からは他にも、「生理の重さは学習面のみならず人間関係にも影響するから、ピルを飲むのはそういった面でもいいと思う」というお話をいただきました。「受験期だけと言わず、高校生になってからも飲み続けるといいよ」と言っていただいたことも、娘の背中を押してくれたと思います。ちなみに、東京都は18歳以下の医療費が無償化されているため、今回の診察・処方にあたって自己負担はありませんでした


◆悩みながらもピルを選んだ理由

 ピルを飲んでいる友人は多くいますし、月経困難症治療のために服用している方が多いことも知っていました。一方で、まだ中学生の娘がピルを服用することには正直不安もあり、今の年齢で飲んでもいいのか、かなり調べました。そのため、医師と対面して納得いくまでお話を伺えたらと、オンライン診療ではなくかかりつけの産婦人科を予約しました。身長の伸びが止まる可能性があることは病院で初めて知ったので、今でも「本当によかったのかな」という気持ちはあります

 親としてのそういった不安がある一方、受験勉強を頑張る娘を近くで見てきたので、「受験当日に生理痛でコンディションが整わず、もし良くない結果になってしまったら…」という思いもありました。そう考えると、やはりピルという選択肢しかないと思えました。「今がデッドラインだ」という認識があったので、なんとか産婦人科を受診できて、本当に良かったです。

 娘はまだピルを飲み始めて数週間ですが、今のところ副作用もなく順調に飲み進めています。このまま無事に受験の日を迎えて、万全の状態で努力の成果を発揮してくれたらいいなと思っています。


Comments


bottom of page